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3/2付日本経済新聞に「IP封筒」が紹介されました

平成17年3月2日 日本経済新聞15面より

平成17年3月2日 日本経済新聞15面

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大阪府経営合理化協会月刊誌「合理化2月号」に記事掲載されました

(社)大阪府経営合理化協会 『合理化2月号(?451)』より

(社)大阪府経営合理化協会 『合理化2月号(?451)』

小川
あまたある封筒メーカーさんの中で独自の地位で成長を続け、利益を生み出す経営を進めてこられた御社ですが、そこには何らかの強みがあったからだと思います。そこで御社の強みについてお聞かせ願います。

鴨谷
昔、 封筒といえば大抵は茶色のクラフト封筒と個人が使う白い封筒、この2種類でした。当社では昭和40年頃から封筒の多様化・個性化を目指してきました。最初 に取り組んだのが定型封筒のカラフル化で、同じ大きさの封筒で違う色を400種類揃えました。ここまで豊富なカラーを揃えた封筒作りは同業他社には真似で きません。おそらくほかのメーカーさんが揃えることのできるカラー数は50種類程度です。400色もあれば、お客様は好きな色の封筒を見つけることができ ます。当然、これらは既製品ですので当社も在庫はきちんと揃えています。400色の封筒全部が大量に出るということはありませんが、お客様には大変喜んで 頂けるということで大きな評価を頂きました。この時の評価は今日の私どもに大きくつながっていると思っています。

小川
その後も色々な封筒作りをされてきたのでしょうか。

鴨谷
は い、昭和40年頃から徐々に種類を増やしていき、高度経済成長の頃は当社の多様化・個性化封筒は飛ぶように売れました。バブル経済崩壊後は種類も幾分か減 少しましたが、ここ2〜3年前からまたカラーや個性的な封筒が増えてきています。最近の傾向は、封筒に入れる便箋などの用紙も封筒と同じ材質とかデザイ ン、カラーに合わせてほしいというご要望が出てきています。とくに訴求力が求められるダイレクトメール分野でその傾向が強いですね。
も う一つの新しい動きは、封筒を受け取った人がハサミを使わずに簡単に開封できる「イージーオープン封筒」の開発です。ダイレクトメールというのはお客様が 受け取ってもなかなか開封してくれません。また日本人にはペーパーナイフを使う習慣がありません。お客様が封筒を受け取って、その場で開封しやすい方法は ないものか、あるいはDM類のレスポンス率の向上に寄与できる方法はないものかと検討した結果、生まれたのが「イージーオープン封筒」です。
お客様はこの封筒に印刷された方向にフラップを引くだけで容易に開封できます。また開封時にゴミも出ず、フラップの裏面(内側)にメッセージを印刷しておけば、開封時にそれがお客様の目に留まるなどユニークな特徴を織り込んでいます。

小川
ハサミを使わずに開封できる封筒は珍しいですが、何か特許をとっておられるのでしょうか。

鴨谷
意 匠登録は申請中ですが、特許はとっていません。要は、このイージーオープンの封筒の存在をいかに知って頂くかということです。そういう意味で私どもが1社 でやるよりも同業他社の方にも同じような封筒作りをしていただいた方が製品の知名度も上がりますし、同時に業界の活性化につながると思っています。
このイージーオープン封筒は、製袋機にミシン目をつける刃を内蔵させ、ミシン目の形状に工夫を加えるなど、当社がこれまで蓄積してきた技術やノウハウ、それにお客様へのお役立ちの結晶でもあります。それだけに私どもでは今後の拡販を期待しています。

小川
しかしコストは結構かかっているのではないでしょうか。

鴨谷
今 まではこういった封筒は作れないというわけではありませんでした。おっしゃるように、作ろうとすればかなりコストがかかっていたのです。当社では、開発に 5年をかけて設備そのものを改良し、従来品と同じコスト、同じ納期でイージーオープン封筒を作ることが出来るようになりました。ですから競争になっても価 格や納期面で私どもが優位にたてるという自信がございます。 

小川
新商品を開発しても、その打ち出し方をどうするかということも重要です。イージーオープン封筒はどのようにして市場に出されたのでしょうか。

鴨谷
まず印刷会社さんに提案し、採用して頂きました。そこから大手総合商社さんのファミリーセールのDMとして使って頂き、次々と色々な分野のDMに使って頂くようになりました。
私 どもとしては、従来までは我々の直接のお取引先であるお客様(封筒を発送する企業)に喜んで頂ける製品開発を目指してきました。しかし今回は特に「お客様 の“お客様”」を意識し、この方々(封筒を受取る人)にも満足して頂けるモノづくりをしようという発想に換えてみたのです。
発 想の転換はまだあります。封筒の需要を見ますと、店頭で売られる既製品は次第に斜陽化しつつあります。個人や企業が使う封筒はどんどん減っています。とこ ろが企業から個人に宛てる封筒の需要は増加傾向なのです。つまりDMの増加で、お客様(企業)のご要望に沿った封筒を作っていかねばならなくなりました。 そこで、私どもは印刷業のように封筒の受注生産型メーカーになることを目指しました。それがイージーオープン封筒の開発で可能になったのです。既製品と受 注生産の比率はこの5年間で受注品70%、既製品30%に逆転しました。

小川
御社はISO9001の認証取得もなさり、大阪府品質管理推進優良企業として大阪府知事より表彰されておられます。これら一連のご努力の結果はキャッチフレーズ“Never Say No”に表れていると思います。御社のお取り組みの一端をお聞かせ下さい。

鴨谷
?“Never  Say No”はお客様のおっしゃることを何でもかんでも聞くという意味ではありません。とりあえずは、まず受け止める。ご要望の内容が無理難題と思うのは、我々 が今までそれが出来ていないからです。もし、それを出来るようになれば無理難題でなくなります。またお客様は必要があって要求されているのです。だから不 必要な要求はないということです。
こ の観点に立ってお客様の要求に応え、満足度を満たすにはどうすればよいかを皆で考えよう、と。それが出来れば、我々の強みの一つとして加え、企業は進歩し ます。言い換えますと、企業とはお客様の要求に応えられた段階で一歩一歩前進していくのではないでしょうか。またお客様の要求を受け入れ、それを提供して 初めて我々は評価されるのです。
そういうことで“Never Say No”の姿勢は我々の全社的レベルアップを図るとともに、お客様から信頼を得る基本であると思っています。

小川
グローバル戦略も含めて、今後の抱負をお聞かせください。

鴨谷
海 外関係ですが、この業界にも一部製品は中国から入ってきています。在庫品が中国製品にとって代わるのは人件費面から見てもやむを得ないと思います。しかし 中国で出来ない商品が封筒の世界には無尽蔵にあります。当社はお客様の要求に応じて新しい商品を次々と開発してきました。顧客満足を満たす商品開発につい ては中国が対応するのは難しいと思います。そういうことで、これからも私どもは顧客満足を追求する商品開発に取り組んでいきたいと考えています。

小川
益々のご活躍とご発展を期待しています。本日はありがとうございました。

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ユニークな企業事例(大阪府立産業開発研究所のHPより)

はじめに
 第一種郵便といわれる封書(手紙)引受数の増加に伴い、封筒の需要は戦後着実に伸びてきました。
しかし、近年における電気通信手段の発達や長期にわたる景気の低迷は、企業や個人の通信に対する需要構造に変化を与えるとともに、封書による通信の数量を減少させるよう作用しています。また、封筒は独自の特徴の出しにくい商品でもあるため、市場における封筒メーカーの競争は価格を中心とした過酷な戦いとなっています。本稿では、このような厳しい封筒業界に在りながら、「お客様へのお役立ち」(顧客本位)を事業運営の原点に、すき間的な商品(ニッチな分野)を開発・生産・販売すること
で、独自の経営基盤を築いておられるコーキ封筒株式会社(以下「当社」という)の取り組みを紹介したいと思います。

ニッチな洋封筒の分野への進出
 当社は昭和44年に設立(創業は大正13年)した封筒メーカーです。 封筒には和封筒、洋封筒、角封筒、それに洋封筒の一種であるDM封筒(ダイレクトメール封筒)などの種類がありますが、当社の主な生産品目はDM封筒です。また、一般封筒と別注封筒という区分での生産割合はおおよそ2対8となっており、圧倒的に別注封筒の割合が高いのが特徴です。 当社が現在の主力となっている洋封筒の生産を手掛け始めたのは昭和30年代の後半からで、市場における洋封筒の割合が10%に満たない頃からでしたが、この分野の将来性を見込み新規に参入することが決定されたのです。当時、洋封筒の需要量はまだまだ少なく、同業他社が力を注がない分野で、その生産のほとんどは手作業(手貼り)で行われていたのですが、当社はこの分野に参入すると直ちに機械メーカーなどの協力を得て洋封筒の加工機械の開発を進め、昭和38年頃には自社仕様の機械による生産を実現させ、品質の均一化とコスト競争力を獲得されました。 大量生産に適した外国製の製袋機を最初に導入されたのは、DM封筒の需要増に伴い受注ロットの大型化が見込めるようになった昭和48年頃ですが、洋封筒市場の規模拡大が確実になると、多くの封筒メーカーが新たにこの市場に参入し、現在では非常に競争の激しい状況となっています。

「イージーオープン封筒」の開発
 従来、不景気であっても販売促進のツールとしてのDMはより多く利用される傾向がありましたが、最近ではその効果が厳しく問われるようになり、レスポンス率の向上などが求められるようになっています。
 そこで当社では、顧客のDMが開封もされずに捨てられてしまうことが少なくなり、レスポンス率の向上などに寄与できるよう、ハサミなどの道具を使う面倒がなく簡単に開封できる「イージーオープン封筒」(意匠登録申請中)を開発しました。「イージーオープン封筒」は、封筒に書かれた方向にフラップを引くだけで容易に開封できる、開封時にゴミが出ない、フラップの裏面(内側)にメッセージを印刷しておけば開封時にそれが顧客の目に留るなどの優れた特徴を有する封筒で、今後における市場での拡販が期待される商品です。 このお客様への思いやりのこもった「イージーオープン封筒」は、製袋機にミシン目を付ける刃を内蔵させる、ミシン目の形状に工夫を加えるなどによって開発された商品で、当社がこれまでに蓄積してきた技術やノウハウ、それにお客様へのお役立ちの考えなどの結晶でもあります。
 当社の鴨谷社長(以下「社長」という)は、「この新しい封筒は、店頭に置いていているだけではその良さを分かって頂けません。そこで、お客様に手に持ってチェックして頂く、あるいは使って頂けるよう、現在は現物を無料でお渡ししてでも試して頂きたいと考え、サンプルをお渡しし、使って頂くようにしています。そして、お客様からお客様へと渡っていくことにより、これを知ってもらうことが大切だと思っています。」と語っておられます。また、この普及に関しては、「同業他社が同じような商品を出してくれるなら、新商品の市場への浸透はそれだけ早まると期待しています。しかし、当社は既にこれを従来品に近いコストで生産できる設備の整備ができていますので、価格や納期の面でそれらの企業より優位に競争できると確信しています。」とも説明されています。
 

顧客本位と管理力
 「お客様に他社には無いサービス、他社には無い魅力を提供できて初めて私共のような小さな会社の価値があるのではないでしょうか。このような考えに基づいてお客様への対応や商品作りを考えています。」と社長は言われ、「当社の主な商品は、他社がほとんど手掛けていない商品、あるいは他社が弱い分野の商品などで、封筒の中でもすき間商品なのですが、お客様にとって在れば便利な封筒なのです。」と述べておられます。 この具体的な商品としては、高級な特殊紙を素材にした角2封筒や同じサイズで400種類にもなるカラー封筒などがあげられます。 高級紙の角2封筒は、例えば会社案内や高級マンションのパンフレットなど一冊何千円もの費用がかかった冊子を入れるのに特化した商品で、このような少量しか出ない商品は同業他社では扱われていません。また、同じサイズでありながら紙の種類と色の組み合わせによって400種類程にもなるカラー封筒のような豊富な品揃えをしている封筒メーカーも当社以外には存在しないと思われます。 一方、近年は納期の短縮化と価格引下げに対する顧客の要求が大変厳しくなっており、顧客が満足する対応を如何に実現するかが市場における競争の大きな要素となっています。
 これらへの当社の対応は、設備の充実、多能工の育成や技術教育の徹底、操業や在庫などの管理力の向上などによって図られています。
 すなわち、大ロット短納期や多品種少量の注文に十分な対応ができる機械設備の充実とこれらを効率よく稼働させるための組織を超えた現場作業者の自由な移動、それを可能にする多能工化、そして、時差出勤による操業度の向上などがその具体的な内容です。これらに加え、紙をどのように在庫するかという、戦略の一つにもなる重要な事柄があります。短納期の受注に備え、どのような種類の紙を、如何に歩留率が良くなるサイズで、どれくらいの量を在庫しておくかの決定は大変重要です。封筒の生産においては、受注する封筒サイズにより、5〜10%の歩留率の相違は簡単に出てしまうからです。注文に対し歩留率の高い紙を在庫していることは、その分顧客に対し安価に商品を供給することを可能にするとともに、自社の収益の確保もその分容易となるからです。

「Never Say No」をキャッチフレーズに
 企業間競争に生き残るには自社にしかない特徴を出し、最も近い存在である顧客から評価を得なければなりません。
 社長は、「お客様の満足度を高めることを難しく考えず、昨年から『Never Say No』という標語で、『お客様からの要求にはノーを言わず実現できる方法を皆で考え、その仕組みを作っていけばいい』という単純な言い方で社員に説明して実行しています。」とその進め方を語っておられます。そして、このことは顧客に対してだけでなく、社内の部門や部署間においても同様で、簡単に断ってしまわずに何とか考えてやってみるということで取り組まれているとのことです。
 「『顧客本位』ということで、心を込めて製品を作る。お客様の役に立つモノ作りをすることが大切です。」との社長の言葉は、まさに当社の事業運営の原点を示しています。
 最後になりましたが、本稿を作成するにあたり、ご多忙にもかかわらず長時間にわたり貴重なお話をお聞かせいただきました鴨谷社長様、それに鴨谷取締役・業務革新室長様には大変お世話になりました。感謝いたしますとともに、厚くお礼を申し上げます。
 貴社の今後益々のご発展をお祈りいたします。

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